センター試験リスニング用ICプレーヤーをバラす。
先週はレポート作成×2と最終講義試験が重なり、更新ができませんでした。
訪問して下さった皆様、すみません。
19, 20日と大学入試センター試験がありました。
受験生の皆様、お疲れ様でした。
結果の如何に関わらず、これからの私立や二次試験に向けて頑張って下さい。
受験生である私の弟が、英語リスニング試験で使われた数々の不具合で話題の
ICプレーヤーを持って帰ってくれたので、バラしてみました。
2008年モデルで、本体左下やメモリースティックに2008の
印字があります。
背面の色は年次によって異なるそうで、2008年モデルは
鮮やかなスカイブルーです。
緑色の電源ランプが点灯します。黄色の音量確認用ボタンを
押すと赤色の作動中ランプが点灯し、約1分間にわたり
デモンストレーション用の音声が流れます。
音声が流れ終わると作動中ランプが消灯するので、赤い再生ボタンを押して
試験用音声をスタートさせます。
それぞれのボタンは約1秒長押ししないと反応しないようになっており、
出来るだけ誤操作を防ぐようになっています。
ちなみに作動中にメモリースティックを抜くと作動中ランプが点滅します。
これはエラー表示で、試験官に交換してもらわなければいけないそうです。
では、細かいところまで見ていきましょう。
<注意書き>
以降、内部メンテナンスの様子を紹介しますが、
エレクトロニクス製品の内部に触れることはユーザーの安全確保上問題があり、
火災・感電・修復不能な故障など、最悪の事態につながり兼ねません。
この記事を参考に内部に触れられた際に発生したいかなる事故や、
それによって生じた損害におきましては、
当ブログ管理人は一切の責任を負いません。ご了承下さい。
電池は単3型のSONY製マンガン乾電池 (赤) で、
使用推奨期限は2009年10月と表記されています。
ちなみにマンガン乾電池には概ね黒色と赤色のものがありますが、
黒色の方が長持ちするが高価で、赤色の方は価格が安いようです。
リモコンに付属の乾電池は殆どが赤色のタイプでしょうか。
使用説明には日本語の他に英語および中国語の表記がありますが、
製造国は日本です。
細いものを入れツメを起こすと、背面カバーが外れます。
内部写真。ICの型番はSKRSK-01で、耐圧6Vの220μFの
表面実装コンデンサが5つ載っています。
左にある銀色の部分はメモリースティックスロットです。
操作ボタンとチップLED、ボリュームなどが見られます。
ボリュームの回転はかなり軽く、クルクル回ります。
電池端子部やカードスロット部の半田は十分だと思いますが
イヤホンジャックの半田の載り方はちょっと少ないのでは。
ちなみにジャックの接触部は金メッキが施されています。
基盤を撤去すれば内部スペースはかなりあるので、
上海問屋の自作MP3プレーヤーなどを使えば、MP3プレーヤー化も可能では。
手持ちのSONY製イヤホン (MDR-E808) との比較。
酷似していますね。
よく似ていますね。
接触不良を防止するため、金メッキが施されています。
メモリースティックROM。容量は約16MB (認識は約15.4MB)。
型番はMSRMF-Cとなっています。
ROM (Read-Only Memory) なので、書き込みは出来ません。
フォーマットはFATで、使用領域は10.3MB、空き領域は5.04MBです。
メモリースティックの中身。「.BIN」という拡張子のファイルが
7つ見られます。一般的な音声ファイルとは異なりますね。
解析はされているのでしょうか。
すべてのファイルの更新日時は2007/8/9 15:12となっています。
8月には、少なくともリスニング問題は出来ていたのでしょうか。
これらのファイルを階層構造そのままにメモリースティックDuo (16MB) に
コピーし再生しようとしましたが、電源ランプが点滅し動作せず。
波形ソフトの計測では再生周波数帯域は9kHzくらいまで。
今回の試験では会場での様々なトラブルや機器の不具合により、
1,200人を超える受験生が再試験を希望しています。
その中で不具合が報告されたICプレーヤーは288台 (時事通信) であり、
昨年度に比較すると約1/4に減少しています。
機械である以上、不具合をゼロにすることはほぼ不可能に近いと思いますが、
改善の余地はまだまだあるのではないでしょうか。
筐体は厚く丈夫なプラスティックが使われているものの、
イヤホンジャック部の半田の盛り方、ストロークが短く押した感触が分かりにくい
操作ボタンなどは、これから先改良されていくことを望みます。
また音声データは、わざわざメモリースティックを採用せずに
内蔵ROMに書き込んでも良いのでは・・・。
接触部が増えるごとに、不具合が起きる可能性は増加しますから。
このプレーヤーについて大学入試センター側は
「情報漏洩の可能性があるため製造元は公開しない」としているものの、
当方でも断言はしませんが、多方面で言われている通り多分SONY製でしょう。
メモリースティックは、現在SONY製品以外に採用例が殆どありませんから。
最後に、修理・改造はあくまでも自己責任にて・・・。
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コメント
> また音声データは、わざわざメモリースティックを採用せずに
> 内蔵ROMに書き込んでも良いのでは・・・。
内蔵ROMにすると、ICレプレーヤーの検査をする際に、出題される音声を検査者が聴くことが出来てしまうことにならないでしょうか?
別の観点ですが、ICレプレーヤーは再利用すべきと考えているので、出題を入れ替えるためにメモリースティックは必須だと思います。
私は次の方法が良いと思います。
http://blog.goo.ne.jp/oogakinet2007/d/20070517
検査が容易になることで、ICプレーヤーの再利用を促進することになると考えています。
投稿: oogakinet2007 | 2008/02/19 22:59
oogakinet2007様
コメントを頂き、ありがとうございます。
はじめに、約1か月間ご返答が遅れましたことをお詫びいたします。
oogakinet2007様のページ、拝見いたしました。
非常に興味深い内容で、大変参考になりました。心より御礼申し上げます。
まず内蔵ROMの件ですが、私はメモリースティックROMが通常再利用できず、結果的に不燃ごみになっているのではないかと考えました。内蔵ROMにすることで再利用できる資源がより多くなるのではないかと。例えばパソコンのBIOS ROMのように書き換えが可能な仕様にした場合、メモリースティックROMの必要性はなくなるのではないでしょうか (半導体の知識が不足しておりますで、ROMを簡単にかきかえられるのかは不明ですが)。メモリースティックROMは基本的に再利用が難しいものであると考えます。メモリースティック自体の書き換えを前提とされているなら話は別になります。
検査者が事前に聴くことができないようにする方法としては、たとえば出荷段階では電池そのものを外しておき、受験生に装てん・ロックさせる方法や、特定のICチップを挿入することで機器の作動ロックを解錠できるようにするといった方法が考えられますが、前者は汎用性の高い単3乾電池であれば代用が容易であること、後者はコストの問題に加え、接点不良など機器の信頼性低下が懸念されます。
本来であれば全数検査をするべきでしょうが、コストやセキュリティの面で問題があります。
リンク先に掲載された方法ですが、大変よい方法だと思います。しかし、頁のコメント欄で他の方が指摘されていますが、音声収拾用マイク・遮音性の高い密閉型ヘッドホン・多芯ケーブル・ICチップの開発および生産といった大幅なコストの増加が懸念されます。イヤホンやマイクは個々のばらつきが大きい製品ですので、必ずしも常時正確な比較は難しいのではないかと思います。メーカー側は聴こえるか否かの確認しかしていないのでは。また人の耳の形状は千差万別ですので、ヘッドホンの密着度によっては音の漏れ具合でマイクが収拾する音量・音質は大幅に変化するので、比較器の調整も難しくなるのではないでしょうか。
以上、回答とさせていただきます。
小生の勉強不足をお詫びするとともに、これからのICプレーヤーにおける信頼性向上・資源の再利用の促進を望んでやみません。
投稿: Smile and Smile (管理人) | 2008/03/13 04:19